だいぶ前ですが、Bloomburgに面白い記事がありました。
仕事中毒(ワーカホリック、Workaholic)なBusiness Executiveは、フランス人で最も割合が高かったとする調査結果が公開されたというニュースです。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-20/ROSO0LT0G1KW01(日本語版)
フランス企業に勤めています
私はフランス系の化学会社に勤めていますが、マネージャークラスと一般社員・工員の差はとてつもなく激しい、と実感しています。
フランスには、「エリート」の文化があります。
だからなのでしょうか?
能力がある人は、それなりの責任を負い仕事をしなければならない、という価値観がフランスにおいて根強いのかもしれません。
それでも、バカンスを取ります。
7〜8月の真夏に誰でも1ヶ月程度の休みをとります。
また、社員の有給休暇の取得率が低ければ会社が罰せられる制度もあります。
年間20日の有給休暇を全て消化しようと思っても、結構大変です。
ほぼ、毎月2日も有給休暇を取る勢いでないと、20日を超えることはできません。2週間の休みともらったところで有休消化は10日にしかすぎません。
そんなに休んでしまったら、仕事進まないのでは?と思うかもしれません。
実際、バカンスのシーズンは仕事が進みません。
1ヶ月近くフランスの担当者と音信不通状態になることがあり、日本での仕事に支障をきたしそうになることがあります。
もちろん、代行の担当者がいるので、日々の仕事はちゃんと回っています。
しっかりメリハリをきかせて集中して仕事をして、しっかり休むので、慢性的な疲れがないように感じます。また、日々の業務は交代制で回すことができているので、属人的な仕事のあり方が少ないことを体感として感じます。
その一方でストレスで伸び切ったゴム状態になっているのが、日本人の中に多いように感じます。しかも、その人でないとできない、ということが多すぎるように思います。
日々の仕事ぶり
日本とフランスは時差が7時間程度あるので、日本時間の16時にはフランスでの業務時間が始まりますが、それよりも早く、日本の14時に働き始める人がいてびっくりします。朝7時からトップギアで仕事をしているわけですから。
余談ですが、社内のフォーマルな会議は、フランス時間の9時、すなわち日本時間の16時から始まることが多く、アメリカと違って電話会議に参加しやすいです。アメリカの場合は、夜10時からスタートすることが多いので。
外資系に勤める身としては、間違いなくヨーロッパ企業が働きやすいです。
フランス人は、遅くまで仕事をするイメージはないですが、その代わりに朝早くから仕事している人が多いです。冬は9時でも真っ暗なので、暗いうちから仕事をすることに抵抗がないのかもしれないです。
また朝型を貫く理由は、効率よく仕事を進めることを重視しているからなのかもしれません。
彼らの仕事ぶりを見ていて感心するのは、割り切りが早く、非常に効率がいい、ということ。悪く言うと、あきらめが早い、ということになるのですが。。。
とにかく無駄になりそうなことは、極力やらない。
日本でありがちな、「そこを曲げて何とか」という言葉は、彼らの辞書にはないのかもしれないです。
非常にクリアな状態で、的確に判断するには、しっかりした休養が必要で、疲れ切った状態では無理ですね。
このように、マネージャークラスの人たちは、よく仕事をしている印象があります。その一方で、ブルーワーカーの仕事ぶりは、日本基準からすると驚くぐらいに仕事をしません。
何かこちらから要求するようなものなら、「XXができるくらいならこんな仕事はしないでもっと給料のいい仕事をしているよ」と言われるような始末。
確かに!! そうだよねーって納得してしまいます。
翻って日本は、マネージャークラスと、ブルーワーカーの仕事ぶりはそれほど大きな差がないように思います。誰もがきっちりと仕事をする、それが日本の美点のようになっていますが、逆を返せば、ブルーワーカーがしっかり仕事をしすぎるので、マネージャー視点での全体最適化を進める際の支障になっている可能性もあるのかもしれないです。
かつてはエコノミックアニマルと言われたらしいが
1980年代、私が子供の頃ですが、Japan as No.1と言われ、経済大国として肩で風をきっていた頃、日本人のモーレツな仕事ぶりに、エコノミックアニマルと揶揄されていたらしいです。しかし、世界での経済的なインパクトが縮小しているせいなのか、Bloomburgの記事にはJapanという文字がありません。 Hong Kong(香港)、China(中国)、Singapore(シンガポール)の文字はあるのに。 日本の凋落を感じるのは自分だけなのでしょうか。