偶然にも、山崎元さんの息子さんと私の娘は同じ歳のようで、昨年の春に大学生になった。 堀江貴文さんのYouTube番組でそのように話しているのを聞いて、知りました。
子供がまだ大学生という状況で、先にいくことは、どれだけ心残りなのだろうと、できない想像をしてしまいますが、だからこそ本書の存在が人事のようには思えませんでした。 自分の余命が残り少ないと分かった時、娘にどんなことを伝えていくのだろうか?
お金の話
生きていく上では、お金の話を避けて通るわけにはいかない。
何事にも、先立つものが必要だからであるし、お金に苦労して貴重な人生の時間を浪費して欲しくないからだ。
娘には、資本主義経済の仕組みをなるべく早く理解して欲しいし、適度なリスクをとって適切な利益を得る側に回ってほしい。
リスク回避志向では、損をするからということではない。
適切なリスクをとって、挑戦する方が人生が充実するからだ。面白い人に出会う可能性も高くなるだろう。
父親の人生を振り返るに、無駄なことも多かった。
でも、チャレンジすることを忘れなかったからこそ、今があるし、娘の教育環境にもそれなりにお金を投じることはできた。
大学に進学したのは、ひとえに娘本人の努力の成果だと思うし、親が果たした役割はそれほど大きくはない。
しかし、金銭的な理由で何かを諦めたり、躊躇させるようなことはなかったと思っている。
国公立大学に合格し、進学してくれたのは、親孝行だと思っていい。
山崎元さんも書いているように、親の世代の、昭和の時代の、成功のルールは通用しない。
世界は緩やかに、「まだら模様」に変化している。
それは、父も認識している。
そんな新しい世界だからこそ、自分で見聞きして、考え、他人にコントロールされない人生を歩んでほしい。
そのためには、経済的な自立と自由をしっかりと考えてほしい。大学生のうちにね。
仕事と転職について
仕事と転職については、父は山﨑さんと同じ考えだ。
父も、4回の転職をした。綱渡りの時もあった。
会社は変わらずに仕事の内容が大きく変わる(いわゆる転属というヤツ)経験も、最初の日系の会社で経験した。
あれは良くなかった。
会社から言われるがままに仕事の内容が決められるのは、避けるべきだ。
恒常的に配属ガチャのある会社に勤めることだけは、避けた方がいい。
受け入れても良い配属ガチャは1回だけ、新卒で入社した会社だけでいい。
山﨑さんは2年と書いているが、理科系、技術系の場合は分野にもよる。
その部署でやることの一通りの基礎を身につけて、転職できる人材になれ。
父も、初めての会社の最初の部署で3年間学び、経験したことが、今の仕事のベースになっている。
大学(院)での研究生活、企業での技術開発のハイブリッドが強かった。
さらにその後の仕事でハイブリッドを重ねることで、唯一無二になれる。
そこから先は、自分で調べ、勉強し、経済的に独り立ちできるだけの給料が得られるレベルまで、頑張れ。
平均年収の1.4倍を目指せ。
経済的なメリットばかり負うと、何かを失う。
それよりも、毎日の充実度が大事だ。
人生における幸せについて
承認欲求が満たされることはとても大切だ。
かつての昭和の日本企業が成功できたのは、上手に承認欲求が満たされていたからだ。
自分の存在価値を肯定的に認めてもらえる環境で仕事をして、自分の役割のある地域社会、家庭で、人生を楽しんでほしい。
そして、幸せになるには、「他人と比較しないこと」、これに尽きる。
自分の人生の幸せは、誰かに自慢することでもないし、誰かから羨ましがられることではない。
相対的な、誰かとの比較で、「幸せ」の度合いが決まるものではない。
また、誰にでも当てはまる絶対的な幸福度の指標があるわけでもない。
幸せは、あくまで自分自身が感じるものであり、自分自身で決めるものだ。
他人にコントロールされていると、幸せは感じにくい。
自分でコントロールできる範囲を少しずつ増やして、自分の価値観に基づく幸せを得てほしい。
お金というのは、経済的なコントロール範囲を増やすための一つの道具にすぎない。
手段なのだから、目的ではない。
その辺りをよくよく理解して、人生を謳歌して欲しいなぁ。
なんだか、遺言のようなブログになってしまった。(笑)