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Just Keep Buying: 為替が大揺れでも慌てない

為替介入があったのでは?という噂から始まり、急激な円高方向に為替が動いてます。 最近の20日で、一気に10円近く米ドル-円の為替相場が動きました。

ずっとダラダラと円安方向に為替が動いていましたが、7月11日の夜に4円以上、急な円高方向に動きました。
政府・日銀による市場介入ではないかと、されています。

161円台と、1ドル=160円の壁を軽々と突破していた7月上旬。
その後、突如円高方向にグラフの向きが変わり、ブログを投稿している現在、1ドル=153.5円にまで円高になっています。

円高方向に戻ったのか?

ドル-円の為替相場は、原則的にはアメリカと日本の金利差で説明できるとする向きがあります。
今回の円高方向への転換について、「アメリカの消費者物価の上昇率が予想を下回ったことから、アメリカの利下げを期待」から、ドルを売って円を買う動きが出たものとされています。

金利差を原因とする円安局面の説明はとりあえず理解できますが、それだけが理由なのだろうか?と疑問に思います。

仕事柄、日本の製造業の敗戦状況をつぶさに見ているので、「円安だから製造業などによる輸出が増える」という状況にはならないことは肌感覚で理解しています。 実際、財務省の貿易統計によると

2024年4月 2024年5月 2024年6月
輸出 8兆9800億円 8兆2768億円 9兆2086億円
輸入 9兆4514億円 9兆4969億円 8兆9846億円
差引 - 4713億円 - 1兆2201億円 + 2240億円

と6月がたまたま黒字になっているだけで、ずっと赤字が続いている状況です。
輸出額は、1年前と比較して、5.4%しか増えていません。

2024年の1−6月の半年間の累計では、−3.2兆円の赤字です。令和2年を除いて、元年、3、4、5年とずっと貿易赤字です。

個人的には、単なる金利差だけで円安になっているわけではないと判断しています。

円安については勉強中

輸入販売の営業をしていますので、為替動向な常に気にしています。
急な為替変動は、本社視点での「日本での収益性」に多大な影響を及ぼすだけでなく、個人的な資産形成でも大きな影響があるので、系統立てて考えられるように、しっかり勉強しています。

そして、今読み進めている本はこちら。

ノートをとりながら読んでいるので、まだ第1章しか読めていません。

自分のためにも、十分理解した上でこのブログにまとめたいと思います。

繰り返しになりますが、まだ1章を読んだkだけです。ですが、結構衝撃的な事実を知りました。
貿易収支の「研究開発サービス」は、赤字が慢性化しているのだそうです。
研究開発サービスとは、研究開発に関するサービス取引のほか、研究開発の成果である産業財産権特許権実用新案権意匠権)の売買などを計上する項目です。

もう25年も前の話になりますが、私は大学で化学を専攻し、化学修士として大学を出ました。日系の伝統的な繊維・化学会社で、最初の3年間だけ研究開発職でした。
その当時は、プラザ合意後の急激な円高で製造業は盛んに生産拠点を海外へと移していました。「生産拠点は海外に移るけれども、研究開発は日本に残る」と当然のことのように言われていましたが、実際は違うようです。

文部科学省の科学字術・学術制作研究所による「科学技術指標2023」によると、日本における民間部門における研究者数は、2000年から2002年に大きく減少していて、2000年からずっと減少した状態が続いています。一方で、お隣の韓国は、2000年から4倍近く増えています。前掲書には研究者の人数までは記載がないので1次情報を確認する必要がありますが、研究開発すらもう日本に残っていない状況というのが、お寒い限り。どうやって、外貨を稼ぐのでしょうか?
日本の研究開発は、とうの昔に落ちぶれていることを、今更ながら知った次第です。

投資戦略への影響は

ずっと円安基調だったのが、円高に振れたことで、オルカンと言われるeMAXIS Slim 全世界株式の価格が下落しています。 そのうち、赤字を恐れてNISAなのに投げ売りしてしまう人が出てくるかもしれませんが、私は慌てません。

なぜなら、この本を読んでいるから。

過去の大幅な株式の下落があっても、最終的に価格は元に戻るかそれ以上に上昇するからです。
しかし、「過去と同様のことが未来にも起きることを信じているだけ」という批判があるかもしれません。
それは否定しませんが、すぐには世界経済は縮小しないだろうと信じています。

なぜならば、日本はともかく、世界はまだ人口が増え続けています。
まだ途上国の発展は著しいものがあります。
先進国が経済成長において停滞したとしても、新興国は成長するだろうという期待があります。
それゆえにS & Pではなく、オルカンを買っています。
オルカンには、アメリカ株式市場もかなりの割合で取り込まれていますが、100%ではありません。
なので、S& Pよりは、分散されているのでリスクは低く、妥当な収益が得られるものと思います。

ただ淡々と、毎月決めた金額を買い続ける。
市場動向は気にはするけど、闇雲に反応しないようにしようと思っています。
早速、数十万円の単位で資産価値が変動していますが、平常心を保つように努力しています。

足元は少し円高になっていますが、今年の春レベルの為替に戻った程度です。
慌てないで、予定通り買い進めることにします。